French Wine

【フランスワインの品質等級】
フランスワインには4つの品質等級があり、ラベルで判断できるようになっています。
(1)テーブルワイン(Vin de Table)
日常消費用のワインで、一般に異なる産地のワインをブレンドして造られます。また、ラベルにVin de Table de France 或いは Vin de Table Francais と書かれている場合は、100%フランスで産したものでなければなりません。ただ単に Vin de Table とのみ書かれているものは、フランスの生産者のワインでも、他国のワインがブレンドされている可能性があります。
(2)ヴァン・ド・ペイ(Vin de Pays)
生産地の特徴をより引き出すため、指定地域以外のワインとのブレンドは認められていません。一般にフランス南部地方にて多く生産されています。
(3)V.D.Q.S(Vin Delimite de Qualite Superieur)
このワインは政府が指定した一定の産地で造られたもので、V.D.Q.Sの意味は、優良品指定ワインです。
(4)A.O.Cワイン(Appellation d'Origine Controlee)
このワインはフランスの法律に基づいて造られたワインで、葡萄の樹、栽培面積、最低アルコール度数、栽培醸造方法などもワイン法にて決められており、更に出来上がったワインの化学分析結果ときき酒がI.N.A.O(原産地名称国立研究所)によって合格とされたものがA.O.Cの名称を与えられます。名称は予め広い地方を始め、地域名、村名まで指定されています。指定される名称が限定されればされるほどワインの特徴がはっきりとし、一般に価格も上昇します。
【ネゴシアン(酒商)とプロプリエテール(所有者)】
(1)ネゴシアン(Negociant)のワイン
ネゴシアンは色々な生産地からワインを買い、ブレンドし、瓶詰めして出荷することを主な仕事としています。ボルドーではシャトー元詰めのワインが多く、ネゴシアンはワインブローカー的になります。また、ブルゴーニュやコート・デュ ・ローヌ、その他の地方では、瓶詰め設備を持たない零細な農家が多いため、ネゴシアンが買い集め、ブレンドし、瓶詰めするということになります。したがって、シャブリやボージョレなどのワインも、そのネゴシアンによってまったく違った味になるわけです。偉大なワインは決してネゴシアンのワインからは生まれません。
(2)プロプリエテール(Proprietaire)のワイン
Proprietaireとラベルに表示されている場合、或いは下記のように表示されている場合は、ドイツワインのErzeagerabfullungと同様、生産者元詰めのワインとなります。
1.Mis en bouteilles au Chateau
2.Mis en bouteilles a la Propriete
3.Mis a la Propriete
4.Mis en bouteilles au Domaine
5.Mise au Domaine
6.生産者名にViticulteur と書かれている場合
7.生産者名にVigneron と書かれている場合
以上のような表示のないワインは、ネゴシアンがブレンドしたワインということになります。また、1のような表示の仕方は、ボルドーワインに多く見られます。日本に於いては、ネゴシアンのワインとプロプリエテールのワインはそれほど大きく区別されていませんが、フランスではまったく違った飲み物のように区別している人が多いのが実情です。ネゴシアンのワインの多くはスーパーマーケットのディスカウントセール用であったり、輸出用で、食通と言われるフランス人達が出入りするレストランでは取り扱わないのが普通です。
 
【フランスの代表的葡萄品種】
赤ワイン用葡萄品種
●カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
ボルドーのメドック地方の主力品種として、申し分のない最高級のワインを産み出します。メドック地方では、このカベル ネ・ソーヴィニヨンを主体にメルローやマルベックを混ぜてワインが造られます。多くの場合、この葡萄から造られているワインは、長期の熟成にも耐えうるしっかりとした品質を持っています。
●カベルネ・フラン(Cabernet Franc)
カベルネ・ソーヴィニヨンの親戚で、やや早く熟し、ワインに複雑さと芳香を与えます。
●ピノ・ノワール(Pinot Noir)
ブルゴーニュの偉大なる赤ワインは、殆どこの葡萄から造られます。ルビー色のカラー、まろやかで潤いのある味は、ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンとはまた違った風格を醸し出します。
●ガメイ(Gamay)
ボージョレに於いて、色鮮やかで飲み口の良い最高のワインが造り出されます。殆どの場合、この葡萄から造られたワインは、若い内に飲んだ方がいいのですが、一部のプロプリエテール・クリュ・ボージョレの中には年数を経て真価を発揮するものもあります。
●シラー(Syrah)
コート・デュ・ローヌに於いて、しっかりとした色の濃い力強いワインを産み出します。
●メルロー(Merlot)
ボルドーのサンテミリオンとポムロールの主力品種となっています。早熟性で軽くまろやかなワインを産み出します。
●グルナッシュ(Grenache)
コート・デュ・ローヌで主にブレンド用として他の品種と混醸されます。
白ワイン用葡萄品種
●シャルドネ(Chardonnay)
何と言ってもブルゴーニュの最高の白ワインを造り出す葡萄で、シャブリ、ムルソー、モンラッシェなど名の知られたブルゴーニュの白ワインは、必ずこの葡萄から造られます。また、ジュラとシャンパーニュでもこの葡萄が主力品種となっています。現在、世界的にも最も人気のある葡萄品種の一つです。
●ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
ボルドーのグラーヴやアントル・ドゥ・メールの白の主力品種で主にセミヨンと混醸されます。また、ロワール河上流域ではサンセールやプイイ・フュメなどに単独に使われます。
●シュナン・ブラン(Chenin Blanc)
ロワール河中流域で辛口から甘口まで色々なタイプのワインを造り出します。どちらかというと若い内に飲むタイプのワインを多く産します。
●セミヨン(Semillon)
ボルドーのグラーヴでは辛口ワインを、ソーテルヌでは甘口のワインを造り出します。いずれの場合も一般的にはセミヨン単独ではなく、ソーヴィニヨン・ブランと混醸されます。
●リースリング(Riesling)
アルザス地方で、申し分のないすっきりとした洗練されたワインを造り出します。