Vallee de la Loire
ランス中央部から大西洋に注ぐ、長さ1000km を越える長流ロワール河。華麗な古城が点在する風光明媚な流域は、フランスの庭園とうたわれているが、同時にロワールワインの故郷でもある。葡萄の栽培面積は広く、白ワインを主体に、ロゼ、赤を産する。大きく四つに分けて、その栽培地域を見ていこう。先ずは、河口付近のナント市を中心とするナント地区。ここで有名なのはなんと言ってもミュスカデ。同名の葡萄品種から造られるすっきりとした辛口の白ワイン。人気が出てきたのは、ここ十数年の事だが、17世紀にはすでにこの地で栽培されていた記録があほ度古い品種である。少し上流にさかのぼると、アンジュー&ソミュール地区。この地区は、快適な風土に恵まれ、ワインの種類も豊富だが、有名なものと言ったらやはりロゼ・ダンジュ、カベルネ・ダンジュのふたつのタイプのロゼワインだろう。他に、甘口から辛口までの白ワイン、深みのある赤ワインなども産するが、中でも甘口の白ワインの評価は高い。やがてロワールの流れは、最も美しい景観を見せるトゥーレース地区へ至る。ここはロワール地区最良の赤ワインであるシノンを始め、甘口から辛口、そして発泡性ワインでも有名なヴヴレー、モンレイなどの産地がある。そして4番目の中央フランス地区は、今最も注目を集めているサンセールとプイイ・フュメの産地として有名。フレッシュでフルーティなロワールのワインは、これから益々人気が高まっていくだろう。