| 私の実家である秋田県山本郡山本町(八郎潟の北約10q)のすぐ隣り街、能代市に喜久水酒造があります。能代は昔、野代と言う名の村でしたが、大火やその他の災害が続いたため、よく代わるように能代と名を替えたほど大火が多く、そのせいで古い資料はほとんど残っていません。喜久水酒造もそういった理由で、いつ頃から酒造りを始めたかは明らかでは有りませんが、酒造りの免許は、昔その藩から出ており、佐竹藩の菩提寺である天徳寺の四十五世の大和尚が喜久水酒造の出身であり、藩主とはとても親しかったとのこともあって、弘化年代前後と考えられています。私が実家にいた頃は、もちろん農家の二男ですからお酒のことは全く知りませんでしたが、地元の商品が一番消費される秋田県といえども、全国の縮図のようなもので、爛漫、高清水、両関と言った全国にも名前のしれた商品が大きな市場 を持っていたようで、喜久水と言う銘柄を知ったのは、私が酒屋を始めた10数年前の事です。当時は、出身地の近くと言うだけで愛着を感じたのですが、現在では押しも押されぬ銘醸蔵としての地位を不動のものとしています。現在の社長が、専務として活躍するようになってからその頭角を現すようになり、吟醸酒をメインに、ユニークな商品構成になっています。最近では、トンネル貯蔵を初め、貯蔵酒に力を入れています。温厚で、笑顔のたえない社長の性格がそのまま酒質になって現れているような気がします。 |