最上白味醂
馬場本店 千葉県佐原市
千葉県の佐原は江戸時代を通じて日本最大の川港で、物資の集散地でもありました。「佐原名物お酒に醤油、味醂に奈良漬島の瓜」と醸造業が盛んなことがうたわれています。
 その佐原で造られる『最上白味醂』は江戸時代の後期より造り始め、現在に至るまでその製法・味を守り続けている、今では数少ない旧式の手造り味醂です。
昔は米を精米するのが大変な作業で、精白の高い“もち米”を使用した味醂を「白味醂」、精白の低い米を使用した味醂を「赤味醂」といいました。毎年11月から翌年3月末にかけて地元農家と契約栽培した有機肥料使用の“もち米”を蒸し、手作業で“こうじ米”と混ぜ、米焼酎をベースにしてタンクに投入し仕込みます。“もろみ”の日数は清酒より長く55日間でこの間、旧式味醂特有の深みのある甘さを出すためのタンクを炭火で保温し続けます。その後酒袋で搾り、“おり下げ”の後、ビン詰めにして出荷します。粕は板状の味醂粕となり“こぼれ梅”といいます。
 味醂が作られ始めたころは、女性や子供に喜ばれた甘味酒で、特に夏の暑気払いとして大いに飲まれていました。たいていのビタミン類が麹(こうじ)から溶け出ており、夏負け防止の総合ドリンクとなっていたのでしょう。ご家庭はもちろん昔からの蕎麦屋さん、うなぎ屋さん、料理屋さんに愛用されております。

 神田に居た頃、「馬場本店」で造った『最上白味醂』が新川に陸揚げされると、東京中の酒屋が押し寄せて一日で無くなった・・・
昔から味醂といえば沢山あるけれど、東京の連雀町(現在の千代田区・内神田)あたりの料理屋でもやっぱり佐原の味醂は有名でした・・・
山内達郎氏「東京修行時代」の中でもこのように佐原の味醂の人気があげられています。
 1L \1,496(税込)