燻臭    
ウイスキー、特にスコッチタイブのものは煙くさい匂いがする。煙臭といわれる特有の香りである。これは麦芽を乾燥後、泥炭を燃焼して出る煙で一種の燻煙を行ない、その結果麦芽に特有の煙臭スモーキー・フレトバーがつき、この香りが最後の製品ウイスキーについてくる。

ゲーリュサック(1778年〜1850年)
フランスの化学者で物理学者、気象学にも詳しい。物理学と化学にまたがる広い領域での業績の大きい学者であった。酒に関することでは、有名なゲーリュサックの酒精計があって、純粋のアルコール分(彼の時は比重0・7947であった)が温度15℃において容量で1%存在するときを一度と目盛ってある。すなわちこの目盛を読めばただちにアルコール分の容量%が求められる。これはアルコール分の含有量を示す基準としてフランスを始め多くの国々によって採用されており、我が国でもこれによっている。ただし比重の値は、現在必ずしも0.7947ではない。純粋アコルールを得る技術が進歩し、できるだけ水を含むことの少ないアルコールが得られるにつれ、比重は低い値を示すようになるのは当然であり、現在は0.79354(15℃/15℃)、0.79360(15℃/4℃)が用いられている。

ケレス
ヘレスというスペインのシェリー誕生の地の古名。現在はむしろシェリーの別名になっている。フランスではヴアン・ド・ヘレスといっている。

検洒   
酒類を検査鑑定することをいう。このためには、酒類を実際にきき酒をして検査する官能検査による方法と、理化学分析や微生物学的手法を用いた検査法とがあり、その各々を併用することで完全な検酒になる。

剣菱   
摂州伊丹(今の大阪府伊丹市)は天和〜元禄時代(1680〜1703)から清酒醸造の中心地であったが、その当時伊丹の坂上氏つくる所の「剣菱」(「瀑水」の二字を印したもの)が有名であって、天文五年(1740)には将軍の御膳酒となったという。従って剣菱の酒名ほ、伊丹酒の代表的銘柄として天下にしられ、酒の値段も剣菱が標準となったという(1804)。頼山陽は坂上氏と親交あり、また無類にこの「剣菱」を愛好し、しばしば詩をよんでいる。当時江戸へ送る酒の薦包には新奇を競っていろいろの号を書いたが、ひとり坂上氏の剣菱だけは墨で一つは縦、一つは横の菱形の形を表わしてこれを改めなかったとしている。『柳多留』 にも「智勇けんひして居酒見せを出し」「まだ正気だと剣菱をやたらしひ」と剣菱を呼んだ川柳がある。なお頼山陽は剣菱は過醇であるので、水を割って飲んだということが伝えられている。現在伊丹には「剣菱」という酒銘はなく、神戸市の東灘御影に同じ銘柄が残っている。