オーヴィレー
フランスのシャンバーニュ地方の小さな町。ここにある僧院にドン・ペリニョンという僧がおり、この老がいまのシャンパン酒を発明したといわれる。(17世紀) それでこのオーヴィレーを「シャンパンの誕生地」ともよんでいる。
大御酒 おおみき
古く神や天皇に奉る酒を敬ってこのように呼んだ。大御はおおみ、敬称であって、「き」は酒の意。「みき」という語もある。
オーストリアン・ワイン
この国は古くからのワインの国で、隣のスイスやドイツ以上によく飲む国柄である。かつてオーストリア・ハンガリー帝国として栄えた時代、その勢力下の国々の名酒は首都ウィーンに集まったといわれる。現在輸出より輸入の方がやや多い。主にイタリアからである。オーストリアの最良の酒は白で軽快なタイブである。ぶどうはリースリングやトラミネル、フーアミント、ノイバーガーー、ミユレル・トルガウ、マスカット・オットーネルなどが用いられる。白の特色は香の高い新鮮さ、果実の匂いの強いタイブである。赤はピノ・ノワールなどの品種が多く、赤のワインは味も香りもかなり濃厚である。オーストリアのワインの最大の生産地といえばウィーン自体である。ここで造られたウイーナ、グリンツィンゲルは有名である。またウィーンから南約30マイルばかり離れたグムポルヅキルツェンは最高の白といわれている。またウィーンの西約40マイル、ダニュープ川の丘からとれるクレムセル、ロイブネルなども有名である。これらすぐれた白はアメリカその他へ輸出される。
オーストラリアン・ワイン
この国は、最近の一世紀でワインの伸びてきた国である。大陸のワインの大部分は南部で造られる。南にあるマレー川はビクトリア州とニュー・サウス・ウニールズとを分け、さらにサウス・オーストラリアに入って流下し、エンカウンター湾で南方洋に注いでいる。この川の両岸とサウス・オーストラリアのアデレード付近の丘陵から低地へのスロープ。この三つの州に数千エーカーのぶどう園が開け、オーストラリアの主要なぶどう生産地帯をなしている。18世紀の終りアーサー・フノリップにひきいられた艦隊がイギリス国からやってきて上陸し、シドニーの近くに新しく開拓を始めたが、この時ぶどうの栽培も始めたという。その後イギリスがこの付近を統治するとともにぶどうの栽培にもカを入れ、さらに適地を求めて栽培は広まって行き、この一世紀の間に主に既述の三つの州がぶどうとぶどう酒の生産地帯となった。この国で栽培されるぶどうはカベルネ・ソービニヨンやマクロ、カリニアンなどが赤の品種として、またリースリング、セミヨン、ペドロが白に用いられる。パロミノ、ペドロ・キシメネスがシェリー酒用に、そしてグレナッシュ、トウリガがポート用として栽培されている。この国はもちろんワインとしては後進国であるので、世界の名酒を模倣したタイブが多いことは止むを得ない。その点カリフォルニアと似ている。甘口の酒としては、シェリータイブ、ソーテルヌタイブ、ポートタイブのものが多く、白はリースリング、赤はクラレットに似たものが多い。しかし最近は質的にもかなり向上し、すぐれた酒質のものも見受けられるし、我が国にも少しずつ輸入されている。最大の輸出先はイギリス本国であって酒もその好みに応じてやや重い。現在約25万klの生産量である。(1)ニュー・サウス・ウニールズ=この州の東岸ハンター川の谷は早くから開けた生産地である。ここで造られる赤と白のテーブル・ワインは、古い時代からすぐれた品質の酒としてしられている。中央のマランムビジー・イリゲーション・エリアは次に重要な生産地。主なる品種はドラデイロ、サルタナ、ゴルド・ブランコである。第三番目の地帯はコロワである。小さい地区であるが、最良のデザート・ワインができる。(2)ビクトリア=この地のぶどうの栽培は他の二州よりおくれたが、後にはこれを追い越す程になって、最大のぶどう生産地になったこともあったが、残念なことに20世紀のはじめフィロクセラの襲撃にあって、荒廃化した。その後フィロクセラに強い品種を栽培し、復興した。この地区には発泡性ワインも造られている。(3)サウス・オーストラリア=現在では最大の生産地帯。主なる品種はライン・リースリング、カベルネ、べドロ、パロミノなどである。アデレードの近くのマギルはすぐれたワインの産地であり、その他この付近に生産地が多い。またマレー・イリゲーション・エリアも有名で、この地帯からは食中酒や酒精強化のアルコール分の高い酒が造られる。この他にウエスト・オーストラリア、クウィーンズランドにも、ぶどう酒がつくられる。
オー・ソーテルヌ
フランス・ボルドーの白ぶどう酒のとれる一高地地区の名。ここの白ぶどう酒はソーテルヌとよばれて世界でも最高級品としてしられており、やや甘口の、味のある酒である。この地区ではシャトー・イケムのものが最も高級酒である。この地区は五つの行政区、すなわちソーテルヌ、.ハルザック、バーム、プレニヤック、ファーグから成っており、各地区で原料としているぶどうの品種は主としてセミヨン、各区とも同じように造っているのが特長。なおカリフォルニア産の白ぶどう酒を同じように呼ぶことがあるが、その場合は語尾のSを省略しCalifornia
Sauterneなどという。
男山 およこやま
江戸時代初期、伊丹(今の兵庫県伊丹市)は酒の主産地であって天下にその名がひびいていた。禁裏の御用も伊丹酒に限られ、江戸幕府の将軍御膳酒は、伊丹の醸造家坂上氏の剣菱、山本氏の「男山」、八尾の菊剣菱に限られていたという。「男山」為に当時の清酒の代名詞の如くその名を轟かした。また各地にそれぞれ地名を上につけて男山の酒名が生れ、いまも残っている。江戸の末期には男山がすたれ、剣菱がひとりその名を広めることになる。
オー・ド・ピー
フランスでは広くブランデーのことをこのように呼ぶ。原義はラテン語のEau-de-Vie「生命の水」で、フランス語に訳したもの。なお狭義にはコニャックやアルマニャック以外のブランデーを一般にオー・ド・ヴィということもある。
オー・ド・ピー・ド・マール
かすブランデー。ぶどうの果皮や果肉などのかすにときに糖を加え発酵させ、これを蒸留したもの。ぶどう酒を蒸留したものと違って香味は劣り、安価である。
オー・ド・ピー・ド・リー
滓からつくったブランデー。ぶどう酒の滓を集め、場合によってこれに加水をして蒸留したもの。粕ブランデーと同様に安価である。
踊 おどり
清酒もろみを仕込むのには、原料の米と米麹と水とを初添、伸添、留添の三回に分割し日を違えて行なう(三段仕込)のが普通である。この初添と仲添の問には一日仕込を行なわない期間があり、これを踊と呼ぶ。この期間に初添で仕込まれた酵母が、再び新しく増殖をして活力を得るのである。この翌日仲添、次の日に留添となるから、もろみの一仕込が終るのには都合四日かかることになる。
鬼殺し おにころし
からくて強いだけで味の少ない清酒。鬼でも殺してしまう程強いという意味か。『嬉遊笑覧』に「俗に村店の薄酒を鬼ころしと云」とあり、また『物類称呼』「江戸にて参州酒などの、味辛くつよき酒を鬼ころしと云ふ」とあるので、江戸時代うす辛い酒にこんな異名をつけたのであろう。『柳多留』には、「安見せは鍾馗のような酒を出し」「三州の火入りだろうと大江山」などとある。
オー・メドック
フランスの南西部、有名なボルドー付近の赤ぶどう酒の産地がメドック地区である。この中で最も高級の赤ぶどう酒を産する地帯が「オー・メドック」で、単に「メドック」と表示してあるものよりも高級であることが、原産地呼称法で定められている。この地帯はメドックの南の部分の高地に当る。
オランダ・ジン
オランダ産のジン。オランダはジン発祥の地であり、シーダム市付近は今でもこの種のジン−オランダではこのジンをジュネバと称している−を製造している。このジンはライ麦を大麦の麦芽で糖化後発酵させ、これをポット・スチルで蒸留し−この点がアメリカやイギリスのタイブとは異なる−、このアルコールを杜松の実を容れた部分を通して再留して、短期間樽で貯蔵する。従って色は淡黄色で味も重味があり、風味も粗野であり、これが他のタイブと明確に分れるところである。どちらかというとストレートで飲まれるもの。アルコール分45%内外。
滓 おり
搾り立ての清酒、主発酵の終った後のぶどう酒、いずれも濁っており、この濁りはやがて底に沈んでくる。このような沈渡物を浮とよんでいる。この浮と透明な酒の部分とを分けることが、「滓引き」である。このような操作を経て酒液はしだいに透明になって行くのである。
織部盃 おりべさかずき
朱漆の小さな木盃のこと、酒盃は古くから土器となっていたが、この土盃がこわれやすいことを嫌って、神酒、婿礼、祝事等では桃山時代頃には朱漆の木盃が用いられるようになってきた。この木盃のうち形の小なるものは、古田織部重能1544−1615)という茶人の考案になったので、織部盃とよぶようになった。(『和漢三才図会』、『日本国風』)
オールド・トム・ジン
ジンのなかでロンドン・ジンにかすかに甘味をもたせたもの。蔗糖を1〜2%加えてあり、そのためやわらかな味になっている。ロンドン・ジンの1タイブといってよい。この名前はトーマスがはじめてこのようなジンを酒場で売り出したことに由来するという説、雄猫の作り物をかざって、これに仕掛けをして一種のジンの販売機にしたのがロンドンで評判になり、この猫をOld
Tom Catと呼んだことからオールド・トム・ジンになったとする説、この二説があり、どちらが真実かはっきりしない。オールド・トム・ジンは主にカクテル用として愛用されている。
オレンジ・キュラソー
キュラソーの一種でオレンジ色をしているもの。
オレンジ・ピターズ
ビターズのうち、特にオレンジを原料としたもの。スペイン産の苦味のあるオレンジが用いられ、オレンジ独特の風味が苦味のなかに生きている。カクテルにオレンジの香をつけるのによく用いられる。